「地図で確認したんだけど、この山の方角に目的地の遺跡があるらしいの」
私は山の頂を指し示した。

訝しげにBurdが尋ねてきた。
「場所は確かですか?本当にそんな場所があるんですか?いつかのDive Rockみたく国境を越えないと登る道がないなんてことはないでしょうな」
[0回]
「大丈夫ー、登っていけば中腹辺りに登山道があるって本に書かれていたわ」
斜面をてくてくと登リ出した。

所々斜面が急すぎて足が滑って登れない箇所があり、迂回しつつ道を探した。
途中で獣に襲われたりしたが、助手が盾になり倒してくれた。

いつものクセで武器代わりにシャベルをつい構えてしまったが、助手に任せておけばこちらは戦わなくて済みそうだ。
更に登って、頂上はまだかなと顔を見上げた先の視界に巨大な岩山の姿が入った。

「わあ、思ってたより大きいわね、あの岩山のどこかに遺跡があるんだわ・・・ワクワク」
そのまま登っていくと、丸太を使って組まれた登山道があった。
「あら、道が二手に別れてる。右と左・・・どっちに行けばいいのかしら」

「本にはなんと書かれていたんですか」
「頂上まで行く道は二つあって、初心者コースと上級者コースがあるそうよ。上級者コースは命に関わるほど危険な道が待ってるらしいけど、どっちがどっちかは書かれてなかったの><」
「肝心なことが書かれてないとはいい加減な本ですな。道は貴公が決めるしかないでしょうが。どうするんです、右ですか、左ですか?」
どっちを選ぼう・・・。
頂上に近そうに見える右の道か、

なだらかな道が続いている左の道か。

頂上に早く着けそうなのは多分右のルートだ。

岩山のてっぺんを眺めていると、岩山が石の城みたいに見えてきた。
いいわね~。
きっと何かすっごいお宝があるはずだわ。
ここから見る限り、まだまだ頂上は遠そうだ。
急ぐより、ゆっくり周囲の景色眺めつつ楽しみながら登っていこうかな。
「ようし、左の道を行く!」

「え?そっちを選ぶんですか?私は右の方が早く着けそうでいいのではと思ったんですが」
「右は急な道みたいだからその分登るのがきつそうじゃない。左だったら緩やかな坂だし、疲れずに登れそうよ」
「右がいいと思いますがねえ。左は遠回りになる予感がー・・・」
「いや!左に行くったら行く!>△<」
「そうですか、じゃあ左に行って下さい」
Burdは不満そうな顔をしたが、すぐに仕方がないという表情になって後を付いてきた。
幅が狭い道を落っこちないように気をつけながら木の道の上を歩いていく。

どこへ続くのかわからない道を歩いていると冒険してるって感じがしてワクワクしてくるわー。
途中木の枝や葉が邪魔して視界が悪い。

危うく木の板を踏み外しそうになり、足元を確認しながら、先へと進んだ。
視界が開けた所に出て、振り返ると遠くにChorrolの町が見えた。

「景色が綺麗ねーどう?Burdもそう思うでしょ」
「そうですな」
「何よ、素っ気無いのね。さっきからずっとこんな感じじゃない」
「綺麗だとは思いますがね、わざわざ口に出すほどでもありません。だいたい自分は本来無口ですから、べらべら喋りながら歩くのは苦手なんですよ」
Burdが無口扱いだったら、この世界の住人はスケルたん先生を除き、すべて無口ってことになるじゃないの、心の中で思ってしまった。
木の道は頂上に着かず、途中で途切れてしまっていた。
今どのへんにいるんだろうと辺りを見回すと、すぐ側に広い洞穴があるのに気付いた。
奥には扉がある。

この扉の先は洞窟に繋がっているのかしら。
入るべきか迷ったが、ここまで来たんだし、今更右の道にするとも言えなかったので、意を決して扉を開けた。
中は半分水没した洞窟だった。

わざわざショベルを担いでまでやってきたのだから、この先に何が待ち構えていようとも怖気ず探索を遂行しなければならない。
必ずどこかに私が捜し求めている素晴らしい古代のアーティファクトがあるはずだわ><
絶対探し出して家に持って帰るのよっ!
洞窟内を探索していると、モンスターに突然襲われた。

だが、勇敢なる助手のお陰で、被害も無く事なきを得た。
ついクセで戦闘に入ると構えてしまう。
ショベルで戦っても絵にならないっていうのに><
この洞窟は、謎の古代遺跡へと繋がっているのだろうか?

それとも・・・。
私達はこの先に待ち構える恐るべき危険な罠の存在をまだ知る由も無かった。
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