私はこれからどうするべきか迷っていた。
あの白い塔に向かった方がいいのだろうか。
・・・この星の知的生命体が平和主義ならばいいが、もしそうでなければ危険すぎる。
しかし、宇宙船がない今、他にどうすることも出来ない。
でも1人で向かうのは怖い・・・。
キュウ~キュルル~グゥ~・・・

考え悩んでいるとお腹がなった。
[0回]
お腹が空いた・・・何か食べなければ。
まずは近辺で食料を捜さした方が良さそうだ。
腹が減って行き倒れてしまうのだけは避けたい。
私は周囲を見回した。
すると目の前の地面に転がっている物に目が留まった。

おや、あの見たことがある形は、確か・・・。
それは私の大好物のカボチャに見えた。
近づいて見ると、大きさは小さいが、やはりカボチャのようだった。
なぜこんな所にカボチャが落ちているのか解らないが、大好物の食べ物にありつけるのは有り難い。
私はそれを拾おうとした。

・・・?
拾えない。
どうやら地面にくっ付いているようだ。
根でも生えているのだろうか。
私は思いっきりカボチャを引き抜いた!
うわぁぁぁぁ!!!
私は驚いて腰を抜かした。
引き抜かれたカボチャには何と、人の様な体が付いていた。
私は奇妙な生物を前に恐怖で体を震わせ怯えていたが、その生物は何をするわけでもなく、ただ私をぼーっと見つめていた。

・・・敵意は感じない。
危険な相手ではなさそうだ。
私は恐る恐る立ち上がってそれを見た。
相変わらず奇妙な生物は黙って私を見ている。

もしかして私に付いてくるのだろうか。
私は反対側に歩いてみた。

それはまるで子が親を追いかけるように私の後にトコトコとついてくる。
私のことを親だと思っているのだろうか。
顔や全体の見た目は決して可愛いとはいえないが、その様子は愛らしい。
私の故郷の言葉で例えると「キモカワイイ」生物と言った所だ。
私は座ってその生物と向かい合った。
名前をつけてあげたい。
・・・カボミンカボチャの民、カボミン。

頭の部分が私の大好物のカボチャに似ているから、こう呼ぶことにしよう。
1人で心細いと思っていた所だったので、仲間がー私の身長の半分もない小さな仲間だがー出来たのは、心の支えになって嬉しかった。
ぐぅぅ、と、思い出したように私のお腹がなった。
その音はカボミンにも聞こえたはずだが、カボミンは不思議そうに首を傾げただけだった。
食べ物を捜さなくてはならない。
私は再び辺りを見回した。
向こうの斜面に林があるようだ。
果実でもなっていないだろうか。

空腹でフラフラとしながら私は歩き出した。
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