交友関係のあまり広くないMiariさんにとって『若者』といえば、あの彼しかどーしても思い当たらない。
ダークエルフのFarwil君だ。
彼をナンパ・・・ではなく、同行を頼むためにCheydinhalに私は向かった。
早朝で、すがすがしい良い天気だ。

ここは、いばら騎士団のアジトだ。
Farwilくんが居るはずである。
「こんにちは~」
家の中に入ってみた。
Farwilとお供の騎士さんが、部屋の二階で寛いでいた。
Farwilは私に気がつくと元気よく声をかけて来た。
「おお、誰かと思ったら貴公ではないか!久しぶりだな!」

「お久しぶりですね、お会いできて嬉しいですよ。でも急に来られて一体どうされたんですか?」
お供の騎士が怪訝そうに訪ねてきた。
「実は~・・・、私と一緒に同行してくれる人探してるんだけど・・・」
「同行?どちらかへ向かう予定でもあるのですか」
「どこに行くのだ?場合によっては私が同行してやってもいいぞ?」
Hassildor伯爵の所へ一緒に来てくれといきなり頼むのもはずかしいので、私はとりあえずこう話すことにした。
「特にどこに行くという当てはないのよ、ただお姉さんFarwil君と遊んでみたいなって思って」
「え、Farwil殿と?・・・彼と遊ぶんですか?」
お供の人は驚いた顔をして私を見た。
しかしFarwilの方は嬉しそうに答えた。
「そうか、私も貴公と遊びたいと思っていたところだ!共に楽しもうではないか!」

あら?拍子抜けするぐらい、あっさりとFarwilくんたら承諾してくれたわ。
「そういうわけで私は友人の旅に同行する事になったから、お前はこのいばら騎士団に残り、留守を守ってくれ」
「はあ、それは構いませんが、大丈夫・・・ですか?」
お供さんは私の顔をちらちらと見ながら心配そうに言った。
「心配しないで、Farwil君のことなら何かあっても私が守るから大丈夫よ」
私が言うと、お供さんは困惑顔になった。
「え・・・いや、そうではなくて・・・」
お供は何か私に言いかけたが、Farwilが横から口を出した。
「お前は余計な口を出すな。心配などしなくていいから黙ってここを守ってろ、良いな!」

「はあ、わかりました・・・では、お二人ともお気をつけて」
彼は何かを私に訴えたがっていたようだが、なぜかFarwilが睨みつけるので、口を噤んだまま部屋の隅にそそくさと行ってしまった。
私は仲間になったばかりのFarwilを連れて外に出た。
えっとー、それじゃ早速Skingradに・・・(・∀・)
私が歩き出そうとすると、後ろからFarwilが呼び止めた。
「貴公、遊びに行くのならこの重い鎧では不便だ。私は服を新調して、それを着用したい」

「服?急に言うからお姉さんびっくりしたじゃない。どんなのがいいの?」
「貴族らしい服がいい。Imperial Cityなら良い服があるだろう。早速案内してくれ」
「今から!?」
「当たり前だろう、今すぐだ。ほら、早く案内しないか」
断るわけにもいかないので、私はFarwilを連れて、Imperial Cityに向かった。

ここの市場はいつも賑やかだ。
Farwilに合う服が無いか服屋さんに入って捜すことにした。

「Farwilくん、好きな服選んでいいわよ。服の代金は私が払うから」
私が勧めると、Farwilは楽しそうに服を選び出した。
「これなどどうだ?一番気に入った」

Farwilは自分で選んだ服を試着し、私に見せた。
「まあ、いいんじゃない?君は黒が似合うわね」
「そうだろ、私もそう思っていた。ではこれに決めるとしよう」
衣装に満足したらしいFarwilを連れ、私は店の外に出た。

「じゃあ、どこに遊びに行く?そうだ、Skingradなんかどうかしら」
「待ってくれ。先に父上に会って来なければならない。遠出することを話し許可を貰わなければまずいのだ」
「父上?Cheydinhalの伯爵のこと?」
「Cheydinhal以外の、どの街に私の父上がいるというのだ。ほら、つべこべ言わずCheydinhalに連れて行ってくれ」
・・・なぜ服を買いに来る前にそれを言わないのよ><
また戻らなきゃならないじゃない!
思わずぶーたれそうになったが、そこはぐっと抑え、私はFarwilを連れてCheydinhalへと戻った。

「伯爵はFarwilくんの遠出を許してくれるかしら?反対されないかちょっと心配なんだけど」
「心配することはない。父上はそういう事に関しては、とても理解力があるのだ」
Cheydinhal城の中に入り、伯爵のいる謁見の間へ入った。
Farwilは父親の伯爵にうやうやしく一礼すると、元気に声を張り上げ挨拶した。

「父上!今日はお伝えせねばならない大事な話があり、ここへ参りました」
「何かな、我が息子Farwilよ。城に顔を出せと言っているのに全然会いに来ないから、ぱぱんはとても寂しかったのだぞ」
・・・ぱ・・・ぱぱん?( ゚Д゚)
「それは寂しい想いをさせてしまい申し訳ありません父上。私は実は、そこに居る我が友人の誘いを受け、旅に出ることになったのです。それで、挨拶に参りました」
「なぬ?我が息子を誘っただと?どういうつもりかねキミ」
伯爵はジロリと私を睨んだ。
「こんにちはIndarys伯爵。ええと、Farwilくんを誘った理由はですね・・・」
若者と言ったら彼しか思い浮かばなかったので誘いました、なんて言うわけにもいかない。

「彼と旅を共にしたくなったんです。Farwil君は私に仲間と協力して共に行動する楽しさを教えてくれたんですのよ。ですから、初心に帰ろうと思って、彼に同行を頼んだんです」
・・・歯が浮くようなセリフだと自分でも思ったが、彼のおかげで仲間と行動する面白さを知ったのは本当だった。
伯爵はその言葉に感動したようだった。
「そうか、我が息子も他人の役に立つようなことを一人前にやれるようになったのだな、私はとても嬉しいぞ。どうか遠慮なくつれて行ってくれ。ただし、もしもの事が息子に起こらぬ様、護衛はしっかりと頼む」
「父上、それでは行ってよいのですね!Farwil感謝致します」
「うむ、将来お前はこのCheydinhalの伯爵にならねばならぬ身。それまでに経験を積んでおくのは、お前にとって必要ななことだ。ふぁーくんが離れてしまうのは寂しいが、お前の為になるのだし、ぱぱんはグッと耐えることにしよう」
Farwilのお父さんって、言ってることはマトモなんだけど、ちょっとヘン・・・・
で、でも、Farwilくんは普通よね。
ちょっと我侭なトコあるけど。
それは置いといて、無事Farwilくんを預かる事が出来た私は、城の外へと出た。
「Farwilくん、どこに遊びに行く?Skingradなんかどうかしら~、面白い場所いろいろあるわよ?」

「やだ。Skingradは遠いからまた今度にしてくれ。私はまず行きたい所があるのだ」
「・・・どこよ」
どういうわけかFarwilを中々Skingradに連れて行けない。
「OBLIVION GATEに私は行きたい」
「ええ~!なんですって?ちょっとまってよ、OBLIVION GATEは遊ぶ所じゃないでしょ!」
「そんなのわかっている。だが、私たちとってはOBLIVION GATEは最初に出会った思い出の場所ではないか。旅の初めはまずそこから行くのが筋だと思うな」
ええ~><?
GATE行くのも、閉じてくるのもメンドクサイ・・・・
「貴公、何を渋った顔をしているのだ。嫌だと言うのなら私は帰るぞ」
アワワワ待って!
帰られたら困るわっ;;
「まって、わかったわよ。GATEを捜しに行きましょう」
断ることが出来ず、私はFarwilをつれてOBLIVION GATEを捜すことにした。
いらない時は嫌でも鉢合わせするOBLIVION GATEだが、いざ捜すとなると見当たらない困った存在である。
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