「どうやって残りのガード服集めよっかなぁ・・・」
私は自宅のガード服コレクションルームで、マネキンとにらめっこしながら1人思案していた。

コレクションはBrumaガード服で止まったままになっている。
次は・・・そうねえ、Skingradのガード服狙おうかしら。
でも、どうやって手に入れたらいいんだろう。
私はあれこれ策を巡らせたが、どうしても思いつかない。
[0回]
ちょっとガードさんたちの所に行って偵察してこよう。
私はSkingrad城に向かった。
門をくぐると、目の前を早速ガードが横切っていった。

あれよ、あれ、あの赤い服!
かっこいいのよね。
後に付いていって、つい見とれる。
あの服ほしいなぁ・・・。

どうやったら入手できるかしら。
ガードだけあってガードが固いのよねえ。
かと言って盗むのもイヤだし・・・
私が考え込んでいると、背後から声をかけられた。
「誰かと思ったら君か、そんな所でどうしたんだい?Hassildor伯爵に会いにきたのかな?」

振り向くと、Skingrad城のガードキャプテンが立っていた。
ガード服をどうやって入手するかで来ましたーなんて言うわけにもいかないので、私は話を合わせて答えた。
「えっと、そうなんです。伯爵にどうやって会おうかなって思って」
「やっぱりそうか。伯爵は外部の人間とは会おうとしないからいつも大変だろうね。そうだ、今ね、城で働いてくれるメイドを募集しているから、応じてみたらどうだい?」

「えっ、メイドさん募集?メイドになったら伯爵と少しはお近づきになれるのかしら」
私は思わず聞き返す。
「お近付きどころか、伯爵の身の回りのお世話の仕事だから、好きな時に会える様になるよ(^^」
な、なんだってーーー!そんな美味しい仕事逃すワケにはいかないわ!
「興味があったらスチュワードに伝えてもらえればいいよ。伯爵が直接会って面接してくれるから。じゃあ、がんばってね」

そう言って、人の良さそうなガードキャプテンは詰所の方に行ってしまった。
うかうかしてはいられない。
メイドになるなら、勝負服が必要だろう。
確かそれっぽい服が家にあったはず。
私は着替える為に急いで帰宅した。
「よぉし、これで挑戦よ!」

私は「それっぽい」メイド服を身にまとった。
これで私もりっぱなメイドに見えるはず!
伯爵!今参りますわっ!
心はもうトキメキ状態♪
Hassildor伯爵に会えるだけでも嬉しいわ~!
城内に入り、スチュワードさんにメイド募集の件で来た事を告げると、伯爵に伝えてくるからと言って奥に消えた。
しばらくして戻ってきて、伯爵が会うそうだから上の通路で待っててと言われたので、私は階段を上がって通路で待つことにした。
「なんだ?メイドになりたいという若い女の希望者が来たと言うから出てきてやったのに、なぜお前が居る」

私の前に現れるなり、伯爵は呆気に取られたような表情になった。
「お久しぶりですわ伯爵っ♪今日はそのメイドに私なりたいと思って来たんですのよ。ほら、格好もメイドっぽくしてみましたわっ」

伯爵は表情を変えず、無言でまじまじと私を見つめた。
「
家政婦を募集した覚えはない、失礼する」

「アアッ!ちょっとお待ちを伯爵><!家政婦じゃなくてメイドですわっ!!」
帰ろうとした伯爵を私は慌てて呼び止めた。
「なんだね、
家政婦はいらんと言っているだろうが」

「家政婦じゃなくてメイドですわっ><それに
家政婦っていちいち強調するの止めてください!」
「メイドになりたいだと?本気で言っているのか君は」
「本気に決まってますわ><」
私はメイドになりたいという思いを懸命に訴えた。
「冗談は止めてくれ。君をメイドにしたら城の中がめちゃめちゃにされるだろうが。君はダメだ、何と言おうとな。そういう事でとっとと引き取ってくれたまえ」
伯爵は端から私をメイドにする気がないらしい。
「そんなぁ、折角可愛いお洋服着込んで来たのに・・・」

私はガックリと肩を落とした。
折角、勝負服で来たのに、あっさり断られるとさすがに落ち込んでしまう。
「どうした、そんなに暗くなるような事か?城で働きたいのならメイドに拘らずとも他にもいろいろあるだろう?」
「だってメイドじゃないと伯爵の側に居られないし」
「私の側にだと?やはりそれが目的なのか、恐ろしい。君を側に置いていたら私の身が危険極まりないだろうが。まったく冗談じゃない」
伯爵の言葉に私は少し驚いた。
「あら・・・その辺の私の気持ち、伯爵わかってらっしゃるのね」
「わかるも何も、私の前でいつもそう
ニヤニヤデレデレされては、わからない方がアフォだろうが。もっと普通にできんのか普通に」

「普通にしてますわ(・∀・)」
私は微笑みを浮かべて伯爵に答えた。
「それで普通か。どうみてもニヤニヤしているようにしか見えんぞ。そんな君と一緒に行動させられている彼は大変だな。今日は姿が見えないが、別の場所で待機しているのかね?」
「彼?あ・・・Burdの事かしら。彼ならBrumaに帰りましたわ」

「帰った?君のアフォさにとうとう彼も愛想をつかしたという訳か。残念だったな」
「違います><そうじゃありません。本人の事情で一時的に帰っただけで、時が来たらまた連れ出しに行きますわっ」
「そうか、ではその時また彼をつれてここへ来てくれないか。彼と話がしたいのでね」
「話?いったいどんな・・・まさか伯爵、Burdをそういう目で><」
「・・・どういう目だ。ただ、私は彼をSkingradのガードキャプテンとして引き抜きたいと前々から考えていたのだ。君も会ったことがあるだろうが、ここのガードキャプテンはどうもやる気がなくて困っている。Burd隊長のようなしっかりした人物なら、Skingradガードを統率出来るだろうと思ってな」
え~、伯爵ってば、ちゃっかりBurd狙ってるじゃないの><
でも、伯爵がBurdに会いたいと言うのなら・・・
「伯爵、Burdに話があるのなら、伯爵をBrumaにお連れしてもいいですわよ。1人だと面白くないなって私思ってたから、ぜひ旅路をご一緒に・・・(・∀・)」
「君はアフォか。バンパイアの私を外に連れ出そうとしないでくれ。それにだな、君と二人きりで行動を共にしたら、不死と言えどいろんな意味で命がいくつあっても足りんだろうが」
「でも、1人だとつまんなくて><」
「私にその穴埋めを求めるんじゃない。1人が嫌で同行者が欲しいなら他を当たりたまえ。そうだな、私やBurd隊長のようないい歳した年長者ばかりではなく、時には若者と行動してはどうかね。それともなんだ、
君は若い男には相手にされんから我々に構ってもらいたいのかね?」
グサー!(llДll)伯爵!!なんかもう辛口の範囲超えて毒舌になっているんですけど!!!
「そんなことないですわっ!!老若男女関係無く誰だって私が頼めば同行してもらえるんだからっ!!」
「まあ、がんばりたまえ。私はもう戻るが、メイドの話は諦めてくれ。あと、その格好の事だが・・・似合っていないから早く着替えることだ。いつもの服の方が君には向いているぞ」

「え、そう?伯爵が言うなら、すぐに着替えますわ」
けなされているのだが、いつもの服が似合っていると「褒められたような」気がして私は嬉しくなった。
「待て待て、早く着替えろとは言ったが、ここで着替えるのはやめろ。そういうことは家でやれ、いいな?では私は失礼する」
そう言って伯爵は足早に奥に去ってしまった。

メイドになれなかったのは残念だけど、伯爵がダメと言うのなら仕方がない。
会う方法は考えればいくらでもあるから、いいや。
でも、さすがに伯爵は同行してくれなかったわね。
1人だとやっぱりつまんないわ。
Burdが戻ってくるまで誰かに頼んで同行してもらうのもいいかもしれない。
この際だから、若い子誘ってみようかしら。
誰がいい子いないかな、誰か・・・。
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