「おっきいひつじたん萌え~(´д`*)ハアハア」

私は間近に見るひつじのBaaabくんの可愛い顔に目を輝かせた。
「羊が肉食でないのが残念ですな」

「どういう意味よ、それ。私がひつじたんに食われたらいいとでも」
「冗談です。なあに、食べられたとしてもすぐに吐き出すでしょうから、大丈夫ですよ」
「・・・私が不味いってワケ?」
「いえ?貴公は不味そうには見えませんが、美味しそうにも見えません」
[0回]
私はシャドウメアのところに行ってみた。

「で・・・でかい・・・こんなにシャドウメアって大きかったかしら」
「おかしいですな、貴公の馬は大きい方ですが、ここまで巨大ではなかったはずだ」
「シャドウメアー><貴方もどうかしちゃったの?」
私が呼びかけても、シャドウメアは振り向きもせずぼーっと立っている。
私が小さくなっているので声が聞こえないのかもしれない。
「きっとあれですよ、乗れるものなら乗ってみろというシャドウメアの貴公に対する反抗的態度が体の大きさに現れているんじゃないですか?」
「んなバカな><!」
「気をつけなさいな。あまり近くに寄ると踏み潰されるかもしれませんぞ」
私はひつじたんがいる小屋の前に来た。

ここのひつじたんは私によく懐いてくれていて、とても愛らしい。
なので前から何かプレゼントを上げたいなと私は思っていた。
羊飼いのお兄さんに許可を貰って、私は自分の荷物袋から食べ物を取り出し、ひつじたんたちの前にばら撒いた。

「貴公、どうやってそれだけの荷物を持っていたんですか?(汗)。おや、何か変だな。大きさがバラバラになってる気がするんだが」
Burdが怪訝そうに言った。
私が取り出してばら撒いたカボチャやリンゴ、オレンジ、ジャガイモのサイズが、なぜか小さかったり大きかったりと統一感が無い。
だが、ひつじたんたちは、そんなことなどお構いなく美味しそうにむしゃむしゃと食べた。
そしてすぐに変化が起きた。

ひつじたんたちの体が、大きくなったり小さくなったり、バラバラに変化してしまったのだ。
羊飼いの人は驚いていたが、私が「すぐに元に戻りますから~(^^」(根拠なし)と笑顔で説明すると、安心してひつじたんを連れ、放牧に行ってしまった。
小さいひつじたんが、ちょろちょろと歩いて羊飼いを追いかけていく。

うわ~かわいい~(:D)<\_
ミニひつじたんはビッグシャドウメアの下を潜り抜けていく。

「あのミニひつじたん、家に連れて帰りたーい・・・(´д`*)ハアハア」
「羊がそんなに好きなら今日から貴公もここの羊小屋で暮らしてはどうですか?それとですな、貴公は小さいままの方が目障りじゃなくていいですよ」
Burdが私を見下ろしながら言った辛辣な言葉に、さすがの私もカチンと来た。
「なんですって?目障りってそれはあんまりでしょ!?今日はどうしてそう生意気なのよ!」
「そんなこともわからんのですか貴公は。生意気なのはそっちの方です!服は返さない、人使いは荒い!勝手なことばかりやって、私をなんだと思っているんだ!!」
「何よ、文句があるならやってやろうじゃないのっ!(>Д<)」

私は頭に血が上り、Burdに食いかかった。
「それはこっちのセリフです。貴公、その体長で私とやりあおうと言うんですか?バカはよしなさいっ」
「うるさいっ!!>△<」

ポカっと私はBurdを思い切り殴った。
「殴りましたな!!ああ、クソッ!!もう頭にきましたぞ!!」
Burdは剣を抜いて私を睨みつけた。

「その生意気な態度を今日こそは叩きなおしてやりますからな!」
怒りながらそう叫ぶとBurdは斬りかかってきた。
「小さいからって舐めないでよね!どうぞ、かかってきなさい!!」

「その体で勝てると思ってるのか!?本当に貴公はバカですな!」
1分後。

「・・・・(泣)」
「いい?私の方が強いってわかった?これで服のことはしばらくお預けね」
「あのね、勘違いしてもらっては困ります。貴公が強いわけじゃありません。小さい相手に本気になるのもバカらしいので今のは手加減してあげたんです」

Burdはブツブツと負け惜しみを言いながら起き上がった。
「仕方ありませんな、今日のところは服の件は引き下がりましょう。まあ、おかげで昨日のことを思い出し・・・おや?貴公、身長が戻ってますぞ」
「え?」

私はBurdの方に振り向いた。
すると、さっきまで見上げないと見えない高さにあった顔が、同じぐらいにあった。
「よかったー><なぜか知らないけど戻ってる!どうして戻ったのかしら」
「多分昨日のことが原因だと思います。私は何があったかすっかり思い出しましたよ・・・あれはまずかった」
疲れたような顔でBurdが呟いた。
「私は相変わらず思い出せないんだけど・・・何があったの?」
「貴公、我々は昨日、週末だから飲もうと酒場に行った事を憶えていませんか」
ああ、そういえば近くのお店に行ったんだったわ。

「最初は普通に飲んだり食べたりして我々は和やかに楽しんでいたのです」
「へぇぇ・・・その辺は覚えてないわ」
「憶えてなくていいです、その部分はたいした話じゃない。でも、あの時はお互い飲みすぎました。貴公も私もフラフラしてるのにそれでもひたすら飲んでいたのですからな」

「起きた時に頭が痛くて思い出せなかったはずだわ。一体どれくらい飲んだのかしら」
「さあ、私もどれくらい飲んだかまでは覚えてません。ただ、その後の我々二人に恐ろしいことが起きたのは覚えてます」
Burdが眉間に皺を寄せて私をじっと見ながら言った。
「酔った勢いとは実に恐ろしいモノですな・・・」
「な、なに?何があったの!?まさか変な・・・アワワ(((;゜ロ゜))」
「大喧嘩になったんですよ」
「喧嘩・・・( ゚Д゚)ポカーン」

「私が何気なく言った言葉が気に食わなかったらしく貴公がキレて、私をぶん殴ったんです。いつもならそれくらいで怒る私ではないが、私も酔っていたので、つい手加減なしで反撃してしまいましてな」
「ええ~、そんなことがあったの!?で、私が貴方を殴り倒したのね、ごめんなさい!><」
「いや、謝るのは私の方です。実はそこで殴り倒され負けたのは貴公でしたからな。今、手加減なしで反撃したって言ったでしょ?凶器を持たず酔ってフラフラな貴公などカニよりも弱いですから」
「カニよりも弱い私って一体・・・(T-T)で、私はどうなったの?」
「床で気絶していたみたいですが、その後1人で起き上がって帰ったんでしょうな」
「なにそのアバウトな返答」
「貴公をノックアウトさせた後、今度は私を抑えようとした客とケンカになりましてな。そこからはもう記憶が無くて、気が付いたら店の上階の部屋でした。ああ、そうか、こんなことがあったから店を出るとき女将さんの態度が恐ろしく冷たかったわけだ」
よ・・よくガードに通報されなかったなあ。
騒ぎを起こしたお詫びに、菓子折り持って女将さんに謝りに行かなきゃ・・・・(ノДT)
「でも、なんで小さくなったのとそれと関係あるわけ?」
「私に負けたショックで小さくなったんじゃないですか?貴公は頭だけでなく、身体も特異体質なんですよ。だから、今私に勝てたので戻れたんです、きっと」
「んなバカな!」
「バカも何も知りませんよ。とにかく戻ったのだから良いではないですか・・・おや?」

Burdの言葉が止まった。
「・・・変だな、なんだか貴公の身長が・・・ちょっと私の近くに来てくれませんか」
「何?」
「いいから、横に」
私はBurdの側に立った。
「貴公・・・今度は私より背が高くなってますぞ」
ガーン!(llДll)
いつも視線は上のほうに来るはずのBurdの顔が私の目線よりも下にあった。
「えええ~~><、何よこれ!Burdが縮んだんじゃないの!?」
「いや、私は変わりません。貴公が大きくなっているんです。そうか、貴公はきっと自己の自信で体長が変化する体質なんでしょうな。私より大きくなったということは、勝った事で調子にのりましたね?ははは、これは笑えますな」
「笑う所じゃないわよっ!うわぁあぁぁ~!元に戻るにはどうしたらいいのよ~~T△T」
私は頭を押さえて取り乱した。
「戻る方法か・・・私に少しだけ負けて、少しだけ自信無くせばいいんじゃないですか?」
「何よそれ!少しだけ負けるっていう、その程度が意味不明よっ!」
「気にしないで放っておけばその内戻ると思いますがね。だいたいそのくらい長身になれば、貴公が大好きな伯爵やマーティン殿下が小さく見えてさらに可愛く見えるでしょうからいいじゃありませんか」
「良くないわよっ><絶対変な目で見られるわ。とにかく戻らないと困るから、また戦ってちょうだい」
「ああ、やっぱり戦うんですか。では少しだけ貴公を負けさせるわけですなって、どうすればいいんだ?」
「さあ・・・」
どうやって「少し負けるか」という難しい問題に、私は頭を抱えた。
そんな私の気も知らず、愛らしいひつじたんたちは、のどかな草原の中で、ゆったりと過ごしていたのだった。
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