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腐女子playerのoblivionプレイ日記とMOD考察ブログ。
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一日が経ち、辺りが暗くなった頃に私は伯爵に会う為にSkingrad城へと出向いてきた。

時が経つのを待っていた間、私は伯爵のことが気になって一睡も出来なかった。



伯爵は落ち込んでたりしないかしら・・・と気になりながら階段の前を通り過ぎようとした時、上の方から私を呼ぶ声が聞こえた。


「おお、来てくれたか!」

声がした方向を見上げると、伯爵が上の階の通路の途中にいて、私を見下ろしていた。

あら・・・?伯爵が外にいるなんて、珍しい。
どうしたのかしら。

私は階段を上がって伯爵の側に行った。



「どうされたんですの?こんな場所におられるなんて思いもしませんでしたわ」

「妻のことでいろいろとやることがあってな。今ようやく落ち着いて部屋に戻ろうとしていた所だ」

伯爵は元気そうだった。

よかった、落ち込んでたらどうしようと思ってたから。

「また会えてよかったよ。成り行きとはいえ、君には余計な辛い思いをさせてしまい、あんな事を頼むべきではなかったのではないかと後悔していたのだ」



そう言う伯爵の顔は、とても穏やかだった。

・・・つい先日まで、眉間に皺を寄せて私に辛辣な言葉を吐いていた人物と同じとは思えない程の変貌だ。

今までは奥さんのことが気になってて、それで余所余所しい態度になっていたのかな。

「いえ、私は大丈夫です。伯爵のお元気そうな顔が見れてホッとしましたわっ」

「あのな、君、それを・・・いや、後は中で話した方がいいな。私について来てくれ」

伯爵は何か言いかけたが、また途中で言うのをやめて、近くの扉から城の中に入ってしまった。

ああんもう、一体何を言いたいのかしら><



私も伯爵の後を追って中に入った。

伯爵はいつもの私室に私を連れてくると、振り向いて、改めてお礼の言葉を述べてきた。



「昨日のことは本当に有難う。亡き妻の分も兼ねて改めて礼を言わせてもらうよ。・・・ところで、今まで君には酷い口ばかりきいて本当にすまなかったな、その事を許して欲しいのだが」

「ほえ?い、いいんですのよ、伯爵。あれはあれで私楽しんでましたから。というか、あれがないと伯爵らしくないですわっ。別に謝ることなんてありませんわ」

私は思いもかけないことで伯爵が陳謝してきたので驚いた。

「ふむ、そうか。私はどうも口が悪くてな、あの態度で接されて離れていかなかったのは君ぐらいなものだ」

伯爵は感心した面持ちで私を見ていた。

「あの、伯爵。さっきもですけど、私に言いかけていることがなんなのか教えて頂けませんか?」

「・・・それだが、どうやら気が付かなかったようだな。まあ、わかり難いのも仕方がない。私が言いたかったのは、君のその言葉遣いのことだ」

「言葉遣い?」

私はきょとんとした。

「私と妻の最後の会話を聞いていて気が付かんかったかね?」



「何にですの?私わかりませんでしたわ?」

伯爵は少し苦笑いを浮かべて打ち明けてきた。

「・・・それだ。君のその、~ですわ、や、~ますわ、という言葉遣いというか口癖が私の妻とそっくりなのだよ。君と話していると、まるで妻と話しているような気になってきてな、こう背中がむず痒くなるというか、正直背筋が凍るというか、出来ればやめて欲しいとずっと思っていたのだ」

~ですわっ・・・て、そ、そういえば奥さんそういう言葉遣いだったわね。

「き、気が付かなかったわ、私!あわわ、それなら早くそうと言って下されば良かったのに><私ったら恥ずかしい」

「いや・・・余りに君が嬉しそうにその口調で私に話しかけてくるので、言い出し難かったのだ。良ければこれからは普通に私に話しかけてくれんか?頼む」

「わかりましたわっ・・・じゃなかった、わかったわ、伯爵。普通に話せばいいのね!普通って言ったらこんな感じでいいのよね、ね、ね、ねっ>▽<ノ」


「・・・う、うむ、まあそれでいい。ところで、君に礼をしたいのだが、私に出来ることがあれば何でもしよう。望む物を言ってくれ。金銭でもバンパイアになりたいと言う願いでも・・・」



「伯爵ッ!私、伯爵が欲しいですッ>▽<」




「だめだ!」



「なんでっ!なんでもいいって今言ったじゃないっ!」



「君はアフォか!!私は妻を亡くしたばかりなのに、はいそうですかどうぞと言えるわけがないだろうが!」

「えーー!>Д<」

「えー、ではない!他にないのか、他に!」

やっぱり伯爵はこうじゃないとねー、と心の中で喜びながら、私は自分が欲しい物が何かを考えた。



そうだ、あれが欲しかったんだわ!

お願いしてみよう!

「伯爵、私、Skingradガードの服が欲しいんですけど、一着貰えませんか!?」



「ガード服だと?そんなものどうするのだ。君はガードになりたいのかね?」

「いえ、そうじゃなくて、私ガード服をコレクションで集めているんです。Skingradガード服はまだ持っていないので、一着もらえないかな、って」

「そんな物でよければいくつでもあげるが、礼はそんな物で本当にいいのか?」

「いいんです、どうしてもそれ欲しかったし」

「ふむ、ではちょっと待ってなさい」

伯爵はそう言って、部屋から出て行った。



数分経ってから、伯爵は何かを携えて戻ってきた。


「Skingradガード服と盾を持ってきたぞ。これで良いのだな?」

伯爵は私にそれを渡しながら言った。



「わー!服だけじゃなく盾まで貰っちゃって良いんですか?有難うございますっ!」

私はやっと服を手に入れたことが嬉しくて、飛び上がりながら伯爵にお礼を言った。


「そんな物でそんなに喜ばれると、どう答えていいものか悩むが・・・喜んでもらえてこちらも嬉しいよ」

私は早速Skingradのガード服を着てみた。



「ふむ、中々似合っているな。どうも君はドレスよりもそういう系統の服が合う様だ。ああ、けなしているのではなく、褒め言葉だからな、今のは」

「わかってます、伯爵>▽<」


「ところで、他に何か望みはないのかね?それだけで礼とするのは、どうも私の気が引けてな・・・まだ何かあれば是非言ってくれ」

なんだか今日の伯爵、すごく親切だなあ。

ここはお言葉に甘えて、もっとお願いしちゃおうかな。



私は何か伯爵に頼みたいことがないか考えてみた。


・・・そうだ、あれはどうかしら。

以前から思ってたことなんだけど、無理なんじゃないかと思って伯爵に言えなかったことがあった。

「伯爵、1つあるんです。私が是非お願いしたいことが。少し難しいことだと思うんだけど」



「なんだね?構わず言ってみなさい」

「私・・・バンパイアじゃない、普通のお顔の伯爵を見てみたいんです」



「・・・なんだと?」

伯爵は驚いて私を見た。

「そんなものを見たいのか?無茶を言うな。どうやったらこの顔が元に戻ると言うのだね」



「伯爵、治療薬がもう一本手元にあるわ。それをもし伯爵が飲んだら・・・どうなります?」

「ふむ・・・私はもうバンパイアとして長く生きらえ過ぎたから、飲んだ程度で死ぬことはないが、完全に治療する効き目もないだろうな。せいぜい1日見た目だけが戻るぐらいの効果だと思うが」

「じゃあ、飲んでくださいっ、はいっ!>▽<ノ」

私は薬を伯爵に押し付けるように渡した。

「君・・・それを私に飲めと・・・もし見当違いで私が死んだらどうするのかね」



「その時はその時です、伯爵!」

「その時って・・・恐ろしいことを明るく平気に言わんでくれ。それに私の元の顔を見たら、後悔するかも知れんぞ?」

「どうして?」

「・・・いかにも恐妻家という面なのだ。バンパイアになって得た利点として、元の面影がなくなり私は密かに喜んでいたぐらいだからな」

「あら、ますます見たくなったわ」

「少しは遠慮してくれんかね・・・わかった、薬を飲もう。しかし代わりに君がバンパイアになってしまった時、治す方法がなくなるぞ?それでもいいのだな」

「絶対なりませんから、どうぞお構いなく!」

「わかった、では飲んでみよう」



私が渡した薬を、伯爵は一気に飲んでしまった。




・・・大丈夫かしら。




しばらくすると、伯爵の顔に血の気が戻っていき、バンパイアではなく、普通の人間の伯爵の顔に戻っていった。



な・・・なんか別人みたい・・・。


この顔だったら、奥さんに頭が上がらない伯爵のイメージとピッタリだわ・・・。



私が伯爵の変わり様に唖然としたまま顔を見つめていると、伯爵は尋ねてきた。

「どうだ?変化はあったかね?」

伯爵は自分では気が付いてないらしい。

「ええ、伯爵のお顔、元の人に戻ってるわ。バンパイアにはとても見えない。普通の人の顔そのものよ」



「そうか、思ったとおりの効果だったな。で、これで満足出来たかね」


伯爵の普通の顔を見ていて、私はあることを思いついた。

「伯爵、町に私と一緒に今から行きませんか?」

「何だと?」

伯爵は驚いた。


「今の、普通の人と変らない伯爵なら、外に出ても誰にもバンパイアだってわからないわ。Skingradの人たちに顔見せたこと、ここずっとないんでしょ?お顔を見せて、町の人たちを安心させて上げましょうよ」

「し、しかし・・・もしバレたらどうするのだ。見た目はこれでも中身は何も変っていないのだぞ」

「そこは伯爵の演技力次第よ。ね、行きましょ。町の人たちは皆、伯爵を尊敬してくれてるんだから、彼らのためにも顔を出して声をかけてあげて元気な姿を見せてあげましょうよ。皆きっと喜ぶわ、ね?」

そう言って、私は伯爵に手を差し伸べた。



伯爵はたじろいだ様子だったが、意を決して私に言った。

「・・・そうだな、私も民の様子を直接この目で伺ってみたいと常々考えていた。君が付いて来てくれるのなら、もしものことがあっても大丈夫だろう」

伯爵が伸ばした手を、私はとって言った。



「伯爵、私がエスコートしますから任せて下さいな」

「うむ、頼んだぞ」


伯爵を部屋から連れ出し、城を出て、外へ出る門の前に来た時、伯爵が心配になったのか、後ろから臆した様子で声をかけてきた。

「本当に大丈夫だろうな。もし私の正体がバレたりでもしたら、大変なことになるのだぞ」



「大丈夫よ、伯爵。そんな余計な心配要りませんから、私についてきて下さいな」

門を開け、城外に出て高架橋の上を歩いていると、町の礼拝堂の美しい明かりが目に飛び込んできた。



「わあ、伯爵、見てみて、とても綺麗よ」

「・・・そうだな」

「礼拝堂も行ってみます?」

「やめてくれ、そこだけは絶対に行かんぞ」


町へ下りて行く坂の手前で、見張りをしていたガードが、伯爵が通り過ぎて行ったことに気が付いて、慌てた様子で恐る恐る声をかけてきた。

「す、すみません、そこを行かれるのはもしやHassildor伯爵ではありませんか?ど、どうされたのです。伯爵が外出するお姿は自分は初めて目に・・・」



「ああ、君、いつもお勤めご苦労。君らの働き振りにはいつも感謝しているよ。私はこれから少し町の様子を見てこようと思ってな」

「滅相もございません、伯爵。任務を忠実に実行しているだけなのですから、私めがそのようなお言葉をかけられるとは勿体無いことです。町へ行かれるなら何人かガードをお連れした方がよろしいのでは」

「いや、私にはあの者がいるからこれ以上のガードは必要ない。君達はいつもどおりの配置についていてくれたまえ」

「了解しました、伯爵。それではお気をつけてお出掛け下さい」

「ありがとう、では失礼する」

伯爵は見張りのガードとの話が終わると、私のところへ戻ってきて、さあ、行こうか、と呟いた。



私は街中をしばらく伯爵と歩き回った後、人が沢山いそうなところへ伯爵を連れて行こうと思い、West Weald Innへ行ってみた。

伯爵を見た町の人たちは皆驚いていたが、すぐにそれは喜びにかわり、人々は皆伯爵を喜んで向かい入れてくれた。



West Weald Innの店内はとても賑やかになった。

伯爵も人々の様子を自分の目で確かめることが出来たのが楽しい様子で、彼らと笑顔で接し、会話を交し合っていた。



よかった。
これで伯爵も少しは奥さんを亡くした悲しみから離れることが出来るんじゃないかしら。


私もやっと欲しかったガード服を伯爵から貰えちゃったし、ホントによかったわ。



さあて、次はどこのガード服狙おうかしらね♪




END

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